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縁甲板張り

先日の10年の定期点検で訪れたお客様から建築当時のことを話しているとポツンとひとこと・・・・
ほんとうに大工さんが丁寧に仕事をして下ったことに今でも感謝しています。
この尾鷲桧の縁甲板も磨くたびに杢目を合わせて張って頂いたことを思い出しますとありました。

この家の縁甲板(フローリング)はお客様のお好みを聞きながら弊社で尾鷲桧を提案しました。
良質の桧という事と産地である三重の尾鷲は昔のご主人の赴任先で思い出の地ということですんなり受け入れて頂きました。

この材料は無地(節無し)ですが、それでも普通は板目、柾目、赤身、白太など木目と色違いが混じっています。
前者を揃えることも可能ですが価格的には倍以上になると思いますので現実的ではありません。
そんなバラバラな材料を継手では出来る限り似た物で合わせて張ろうとしています。
杉、桧、赤松などの針葉樹は比較的合わせやすく唐松などはその材料によっては難しいのですがそんなこともしているのをお客様は理解をしてくれていました。


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ここからの3枚は10年経過した尾鷲桧
隙間が若干空いていますが温水床暖房の影響です。
夏場には隙間が無くなるそうです。

尾鷲桧は特に脂っ気が多いと言われいて、しっとりと奥艶のある
よい経年変化をしています。







継手双方の材料の板目を合わせています。

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こちらも同様に同じような目を合わせています。
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こちらも互いに似た目を持ってきています。



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建築当時の写真を引っ張り出してみました。
桧の白さと独特の赤身が際立っています。
現在は赤身、白太の色違いは経年と共にわからなくなっています。



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拡大すると継手では目を合わせてます。
茶色の部分は脂の浮き出ている部分です。
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こちらも上の画像を拡大してみましたが同様です。
手間はかさみますが桧縁甲板を1枚1枚寄り分けるのは
人間の手と目と感覚でしか出来ません。
そんなことをご理解を頂いて感謝の言葉をたまわりこちらも
嬉しい限りでした。

綺麗にお住まいでこちらも感謝しております。


by tanaka-kinoie | 2015-02-26 07:34 | 建築、仕事 | Trackback | Comments(0)
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