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新建築住宅特集6月号について

久しぶりに購入した新建築住宅特集
定期購読はしていないので本屋でめくり、興味のあるテーマや知人建築家が掲載されている時に求めます。
今回の購入理由は特集が『環境時代』新時代とあったことがまず一つ。
この本が発売されてからSNS上で様々な論評があったことでその真意を確かめたかったことです。
また実際に拝見をした伊礼さんの京都サロンが掲載されいたこともあります。

掲載の18題については、共通の3つの環境コメントが求められていますが改正省エネルギー基準についても理解不足のようなコメントが少なくなく、答えにならないはぐらかし方ととれるものもありました。
デザインや建築手法の斬新さはここに掲載される建築家ならではと感じましたが性能を担保する(特にこの号で謳う温熱性能)事に重きを置かない方が相変わらず多いとしか思えませんでした。
中にはオリジナル過ぎる、特殊なことをやっていったいいくら掛かるんだろうか???
建築家がやってみたいエゴではないかと思われる仕掛けもあって、それを語る文面、図を見ればもっともに感じたりもしてしまいます。
いや実際に効果が無いと施主は困るほどお金掛かってそうな物もありました。(笑)
一方でここでは地味になりそうな正攻法できちんと断熱をして実績のある手法で快適性、省エネ性能を実現している知人の建築家達も掲載されています。
SNSでは編集者も勉強不足だとの声もありましたが前者後者との入り混じり方は読者としては面白く拝見できました。
良い意味も悪い意味も含めてこの号は良かったです。


これ以上は私が語るよりも日経BP社の小原隆さんのFBでの発言がわかり易く、転載させて頂きました。

新建築住宅特集6月号について_c0019551_2125225.jpg


以下小原隆さんのFBからです。

住宅特集6月号を読みました。特集のタイトルは『「環境住宅」新時代』。他誌の書評はさておき、建築家のみなさんの省エネ住宅に関するコメントが面白い。同じ質問に回答しています。複数の方を除き、建築家の多くは定量的な評価を避けたがる傾向があるように感じました。

掲載されていた住宅のうちいくつかは、外皮性能の向上やエネルギー消費量の低減を目指す以前に、パッシブ的、あるいは建築的な工夫で環境に配慮しています的な取り組みが目立ちました。
かつてはよく見かけたドヤ作品ですが、まだ健在なのですね。

もし、UA値やηA値、一次エネルギー消費量など、熱負荷を計算せずに「環境住宅」を設計しているとしたら、不思議でなりません。デザインと性能のベストバランスを、どうやって検討しているのでしょうか(掲載されていないだけで計算していたらごめんなさい)。

定量データは他者と比較するためではなく、デザインを考えるためのベースとなり、顧客に説明するためにも必要だと思います。見積もり価格を計算・提示せずに、顧客を説得できないのと同じです。感覚に頼った「なんちゃって環境住宅」をつくるのは、もう終わりにしたいですね。
by tanaka-kinoie | 2016-06-09 21:16 | 本、雑誌 | Trackback | Comments(0)
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