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相見積り

東京町家ブログで建築のコストに関する投げかけを連続で行っています。
なるほどと考えさえられる事も多くアンケートにお答えする事と私の立場からも、意見を述べさせて頂く事にしました。

相見積りに関するアンケート
○あなたの立場は: 
  ●施工者 設計者 住まい手 その他( )
   (設計者でもある時があります)

○相見積りについて:
  良いと思う 良くないと思う わからない
  ●3つの中から選択出来ませんので勝手に作ります。
    場合により良くて場合により良くないと思う。

○相見積りを依頼しますか(施工者として協力業者へ)
  ●する しない わからない

○設計と監理がしっかりしていれば、誰がつくってもほぼ同じ物が出来ると思いますか:
  思う ●思わない わからない

○同じ図面で見積りしたのなら、安い価格の業者が良いと思いますか:
  思う 思わない ●見積り内容による

○相見積りをしたことがある方は、過去に最高と最低で何%ぐらいの差がつきましたか:
  15%

○施工者は特命工事と相見積り工事で仕事に対する意気込みは違いますか:
  ●特命だと意気に感じる 
  特命だと確かに気合が入りますが設計事務所から図面を見せて頂いても、
  あまりに予算に合わなそうな場合は逆に相見積りの方が良いと思う場合もあります。
  そうで無いと特命を薦めた設計者も金額で恥を書く事になるし、お客様も期待していた分
  困る事になるからです。
  
以上が私なりの回答です。
なんだお前も結局相見積りしているじゃないかと問われれそうなのでお答えします。
解体などの工事は金額のばらつきがありますので仕事内容に差が付き難い工事や設備機器などでは同じ品物での仕入れ比較です。
(問屋には得意なメーカとそうで無いメーカがあります。)



確かに良い物を安く作れる事に異論は全くありません。
これは建築業界でも(工務店、設計者、メーカー)永遠の課題です。
私自身、良い物を安く提供していける事が出来る工務店になりたいとは常々考えています。
そこで基準的な価格を把握する事に相見積りが存在する意味もあるとは思います。
但し設計者を通して一方的に価格だけで判断されるのは疑問です。

大きな金額の差があれば仕方ないのですが我々工務店の現場を見に来て頂いたり、
会社の雰囲気を見に来て頂いて代表に会って話しを聞くなんて事が全く無いのが実情です。
相見積りは殆どが設計事務所物件ですので工務店により、出来不出来もあると思いますし
定期点検(無償メンテナンス)の姿勢や保証などの完成後の事も選択理由に含めて欲しいとは思います。
家って完成したら終わりでは無いのです。

確かにこんな事も見受けられます。
諸々の理由から設計図面の提出が遅れて工期が迫っていて、工務店選定を慎重にしてい
る時間も無く、設計者判断で絞り込んで進めていかなければならない事などです。
工務店選定も確かに設計者の仕事ですので・・・・・
こんな場合は施主も工務店に会うこともまかりなりません。
(時間的な面でそうならざるを得ない場合もあるようです)
その他諸々言いたいことはありますが東京町家ブログに紹介されていた㈱青山工務店さんのブログ中里のひとり言
で全く同感のわかりやすい表現と同じ様な経験があります。
ずるいのですが(笑)同じような事と捉えて下さい。

色んな観点から私としてはここ数年でこう考えています。
相見積りと言う議論ですが、直に仕事を請ければ、そんな論議も必要無くなります。
もちろん、お客様に対してもここしか出来ないのだと思われる付加価値のある住宅造りが必要です。
この数年でそう言った事を目指しています。
理由は単純です。
『自分が全てに携わった家を作りたいからです』
『うちで作ったんだよと言う意味は設計も施工もやってだと考えるからです』

『適正な利益も得たいからです』

最近は全てが弊社に特命で施工依頼があります。
こんな事は本当は当たり前でえばって言う事でもありませんが多種多様化された建築と膨大な
情報量から本当にお客様も迷っています。
(今や中小工務店は自社で受注が出来ない現実があるのです)
工務店も自分達だけのスタイルを見失っているのでは無いでしょうか?
全員に当て嵌まる良い家なんて無いのですから、ライバルが出来ないような家造りをすれば良
いのだと、この数年ずっと思っていました。
それが今やっと可能となり浸透してきた証だと思っています。
現状でのお客様に共通するのは数回の見学会へ参加をされて、施工中の現場への見学も
希望され、ご来社もされて私の家造りのスタンスや保証の問題などをお尋ねになったりと
お客様なりに色々な面から施工者選択の判断材料を探しているように思えます。
中には弊社で施工は頼みたいと相談に見えて設計は伊礼智さんに頼みたいという例もありますが多分これ
はずっと続くと思います。
伊礼さんとはお互いわかりあえているし、いつも愉しく仕事をやらせて頂いています。
設計術は学ぶべく物も多いのです。
最近は実行予算通りに利益も出ていますし(笑)

1.ローコスト
2.リーズナブル
3.コストパーフォーマンス

何て表現をすれば我々の手掛ける住宅はローコストではありません。
リーズナブルでありコストパーフォーマンスに優れた家造りをしたいと思うのです。

消したり書いたりの繰り返し、うまくまとまりませんでした。
こんな長文を書いたのが久しぶりですし何だか的外れで支離滅裂になってしまいました。
でもここまで書いたのでアップさせて頂きます。
by tanaka-kinoie | 2006-01-16 22:23 | 建築、仕事 | Trackback(5) | Comments(16)
Tracked from 中里のひとり言 at 2006-01-17 10:49
タイトル : 相見積り(あいみつもり)
工務店は家の設計図に基づいて見積書を出します。 その設計が建築家・設計事務所のものですと数社の工務店の見積を競わせる相見積りが行われることが多いです。 私のところでは基本的に建築家・設計事務所の相見積りには参加しません。 その理由は次のとおりです。 1.建築家の方々は基本的に見積りの精査が出来ないことが多く、結果一番安い見積りを採用することがほとんどだからです。 2.他の工務店が何らかの理由で大幅に値引きしてきたものや、採算度外視した見積りを採用するケースが多いからです。 3.コン...... more
Tracked from K+Yアトリエ at 2006-01-17 13:12
タイトル : 「東京町家」さんの相見積りに関するアンケート、に回答
「東京町家」のMさんが「相見積りに関するアンケート」を公開しています。 以前Mさんはブログの〜バトンについて、 「いまいち面白くないよね」とおっしゃっていましたが、 成る程こういうバトンを作りたかったんですね。(笑) とても意義のある、ブログならではのアンケート(バトン)だと思うので チャレンジしてみます。 住まいに係る費用はどんな人にも関係がある事ですので、 一般の方も「東京町家」の記事を一読することをおすすめします。 回答の前にK+Yアトリエの相見積り(家作りに限定)に対し...... more
Tracked from OMソーラーの家「東京町家」 at 2006-01-17 21:45
タイトル : 相見積りについて考える
住宅雑誌を読むと、相見積りをして少しでも安く良い家を手に入れようと書かれている。設計事務所に依頼すると、相見積りにして予定価格に近づけましょうと言われる。本当に相見積りは安く良い家を手に入れる魔法の方法なのだろうか? 反面、住宅業界内には、相見積りには応じないという工務店が増えてきた。しかも、その工務店の多くが優れた建物をつくって住まい手から支持されている「行列のできる工務店」なのだ。自社で裁ききれないほどの受注があるので、手間ひまかかる相見積りには応じられないというのが本心だろう。この工務店だ...... more
Tracked from ヘルメットな日々 at 2006-01-19 23:26
タイトル : 相見積り
先の記事の最後で家作りのパートナー選択の条件について考えていると書きました。 住まい手にとって「同じ家」を手に入れるならば少しでも安くと考えるのは当然です。 複数の施工者のうちで同じ家を作るのに安い金額を提示してくれれば、 大多数の住まい手はその相手を選ぶのではないでしょうか。 ただしこれを比較するのは問題があります。 家には定価がなく、異なった施工者が「同じ家」を作ることは不可能だからです。 先日のB工務店との打合せの帰り道でK子さんがポツリと言いました。 「値引きってどのくら...... more
Tracked from ココノマニッキ at 2006-01-21 22:38
タイトル : あいみつ
OMソーラーの家「東京町家」相見積もりについて考える からTBしました。 相見積もりについて ○あなたの立場は:   住まい手 ○相見積りについて:  (場合により)良いと思う ○相見積りを依頼しますか(住まい手): しない ○同じ図面で見積りしたのなら、安い価格の業者が良いと思いますか:思わない 家作りをひとつのプロジェクトと考えたとき、そのリーダーたる住まい手は プロジェクトをうまく遂行するために、信頼できるメンバーでプロジェクトチームを 作らなくてはなりません。(偉そうで...... more
Commented by kametatu at 2006-01-17 00:15 x
ご無沙汰しています。設計者の端くれです。相見積もりの考え方、頷きまくりです。設計者の立場からすると、特名はよっぽど自信が無いと難しいと感じています。お施主さんによっては求めるものの違いがあって、極端な話、事業用建築物であれば10年持てば良いので、それなりの施工でも安ければ事業計画に合うと言う考えもあります。ただ、住宅に関してはお施主さんの人生を掛けた「事業」なので、それに応える設計も必要ですし、設計者に意見するぐらいの厳しい施工者との間で出来上がったものは、おそらく掛けた金額以上のものが出来上がっていると思います。最近は相見積もりをする事が少なくなっていますが、私自身が相見積もりをする段階で見る部分は、見積もりの精度です。安ければ良いと思っても、大ざっぱな見積もりでは施工者の考えと設計者の考えがずれている場合が多いので、自分の「読み」に近く、さらに別途が明確になっている見積もりに注目します。とにかく公共工事の入札ではないし、安ければ良いと言うものではないので、最安値施工者に頼む事はまずあり得ませんね。
Commented by boro9239 at 2006-01-17 00:48
田中さんの思い、非常に良く伝わってきました。(笑)
立場は若干違えど、ほぼ同感です。
僕も回答してみましたけど、なかなか難儀でした・・・
Commented by tanaka-kinoie at 2006-01-17 15:57
kametatu さん
コメントありがとうございます。
本当は慣れっこになっているはずの見積り提出ですが私自身が実は全くそうではありません。
予算を聞いて設計していても多くが予算オーバーの見積もり金額になるのが特命だけに余計に辛い所なのです。
いつも表にある総額のページを最後のページにしたくなります。
提出時は、いつもどきどきなのですよ。
お客様にしたら本当にもっと大変ですよね。
多分ですが予算オーバーその時には他の工務店だったらどうなんだろうと少しは思うはずです。
だからこそ、ここでしか作れないと考えてもらえる価値観のある住宅造りを目指します。
相見積りからちょっと外れましたがこれが生き残る道なのです。

Commented by satoshi_irei at 2006-01-17 15:59
皆さん、
田中さんのこの大論文とともに(笑)。
「住宅建築2月号」をご覧下さい。
今回は田中工務店をピックアップさせていただいています。
2月1日、発売です。
Commented by tanaka-kinoie at 2006-01-17 16:35
boroさん
何とかわかってもらえましたか!
ありがとう。
立場は違ってもお客様と接しながら家造りに携わっている事は同じです。
私は色々と思いが強過ぎてうまくまとまらなかったです。
Commented by tanaka-kinoie at 2006-01-17 20:33
伊礼さん
『住宅建築2月号』楽しみにしています。
建築知識2月号もちょっとですが記事を書きましたので、またまたご一緒ですね。
現場の写真は北葛西の家にしました。
Commented by tokyomachiya at 2006-01-17 21:18
田中さん、大変力作なご意見ありがとうございます。
行間から、田中さんの複雑な思いが、あふれ出ています。
特命は嬉しいが、予算と図面がかけ離れていた場合・・・確かにこの値段で出来る工務店があるんだろうかと思ってしまいますね。そんな時は、相見積りだったら良かったのにと・・・。
自分達らしい仕事をしていくために、設計施工を増やし、価値観を共有できる方の住まいを、ひとつひとつきちんとつくって行きたい。最近の田中さんの仕事には、そんな意気込みを感じます。
本来工務店があるべき姿なんだと思います。
Commented by kokonoma at 2006-01-17 23:44
こんばんは。9坪の家の住まい手です。
北葛西の家の見学会では大変お世話になりました。
挨拶もせず帰ってしまい申し訳ありませんでした。
見学会ではうちの家と兄弟のように感じて非常に
楽しく拝見させていただきました。今でも非常に印象に残っているのは
なぜか階段手すりの握り具合です。
一見同じに見えるのですが握り具合がうちと明らかに違うのです。
あーこういうのが「工務店さんごとの味」なんだなと感じました。
こういう感覚は見積もりではわからない、実物を見せていただいて
初めて感じるとることができる心地良さだと思います。
Commented by tanaka-kinoie at 2006-01-18 08:24
迎川さん
投稿まで時間が掛かったのも思いが交錯し過ぎてなのです。
相見積りの議論も色々ですが、やらないやれない程に自社の仕事の確立を目指します。
弊社で手綱が握れれば問題も起こり難い訳ですから。
Commented by tanaka-kinoie at 2006-01-18 08:38
kokonomaさん
コメントありがとうございます。
ブログは良く覗かせて頂いておりました。
ご自宅も機会があれば一度拝見させて頂きたく思っておりました。
確かに工務店事の味はあると思います。
工務店内でも大工や監督によっても一現場事に違います。
もちろん肝心な事は監督や私が統括していますがある程度の裁量は現場に任せます。
生産効率を上げる為にももっとマニュアル化したいとは思いつつ難しい面も感じています。
でも kokonomaさんのようにそんな部分を感じてくれる方がいると褒められている訳でもないのに嬉しいです。
時間や予算での制約は多いと思いますが家造りにこだわりを持った方達はどんどん現場を訪問して頂き、知識だけでなくそう言った感覚を養って欲しいとも思いますね。
Commented by kawaikenchiku at 2006-01-18 09:51
田中さん、相見積に対する疑問はいいままでもありましたが、表現せずにきていたと思います。いい機会をありがとうございます。
Commented by aoyamakoumuten at 2006-01-18 11:12
コメント書き込みありがとうございました。
こちらのブログは時々覗かせていただいていました。
私は、「2代目」ですんで、その意味でも、こちらを参考にさせていただいています。
当社は、本当に、「普通の」工務店なんですが、考えていること、やらなければいけないことを常々ブログにて書かせていただいています。
今後、ブログ等と押して情報交換等をさせていただけれるとうれしいです。
よろしくお願いします。
Commented by tanaka-kinoie at 2006-01-18 20:46
河合さん
私があたえた機会ではありませんがお役に立ててよかったです。
色々と難しい問題ですよね。
でも受注は欲しいしーお互い頑張りましょう。
Commented by tanaka-kinoie at 2006-01-18 21:07
青山さん
ありがとうございます。
三代目と言ってもちょっと歴史が長い程度でうちも普通の工務店です。
青山さんの業界誌を通して知った活動内容や青山工務店グッズなど参考にさせて頂きたい事ばかりです。
こちらこそ情報交換等、よろしくお願い致します。
Commented by happy_seed at 2006-01-20 00:00
コメント&TBありがとうございました。こちらからもTBさせていただきました。
立場は違いますが、田中さんの思いはしっかり読ませてもらいました。
これからもちょくちょく寄らせていただきたいと思いますので、よろしくお願い致します。
Commented by tanaka-kinoie at 2006-01-20 19:09
happy_seedさん
こちらこそ、ありがとうございます。
名古屋ネタも続けられるように頑張りますが内容によりたまに妻に怒られます(笑)
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