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10年経過した浴室ハーフユニットバス+板張りのお手入れ

ハーフユニットバスに壁天井板張り仕様の浴室はこの十数年で50棟を超えて施工をしています。
板材はさわらが多く、能登ヒバ、青森ヒバ、ヒノキなど天然木のみを使っています。
板にはカビからの保護はもちろん、木の芳香を妨げずに通気するような塗料を使っています。
また板の裏側には通気胴縁を設けて板を浮かして張り、空気が通り乾燥しやすいように施工しています。
とは言え、撥水効果のあった塗料も年々と効果が落ちて経年で浸みつくようにカビが付着
容易には落とせない状態になっている事がままあります。
稀にカビの発生が少ないお宅もありますが最終の入浴者が壁天井を拭いて、窓を開けて換気扇を回し、サーキュレーターを使って
湿気を極力排除するなど徹底した湿気除去対策をしています。
さすがにこれは誰でも真似が出来ることではありません。

最近は高耐久のセラミック塗料を使っており、以前よりもカビが生え難くなると思いますが10年前後の定期点検では
カビ対策に対してご相談が多いです。
以前は大工が1日浴室に閉じこもって表面をペーパーで全体を研磨、ひどい個所はカンナで削ったりしていました。
ある程度までは綺麗になるのですが材の凹凸などもあり効率も悪い作業でした。
そんなことで良い方法を模索していましたが新築時の引渡し前のクリーニングでお世話になっている業者さんが木材の洗浄や
灰汁洗いなどの特殊技能も持ち合わせていることもあってそちらに相談の上でお願いをすることにしました。




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11年経過した浴室
さわら板張り
浴槽に沿ってカビが生えてしまいます。
























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特に石鹸カスが付着しやすい洗い場周辺
鏡やリモコン、シャワーフックなどの障害物がある
部分はどのお宅でも見られます。

※注 写真でわかり難いので画像を加工してカビ部分を強調しています。


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施工中の写真はありませんが最近行っているのは
洗い、灰汁抜きといわれる技術での洗浄作業
社寺仏閣の現し木部の灰汁洗いや洗浄なども行っている
業者さんにお願いをしています。
これ以外にも様々な種類の薬品を用意していました。

苛性ソーダを使いアルカリ性にしてから酸で
中和するそうです。
その後にブレンドしたアルカリ液で再度染み抜き
を行い、そしてまた酸で中和するを繰り返すとのこと
1日掛けて辛抱強く施工します。






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洗いを行った後
少し白茶けていますがカビは殆ど消えて
素地の状態になっています。






















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特に汚れていた洗い場正面も綺麗です。




















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浴槽付近の下部のカビも汚れも無くなりました。













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翌日にけば立った部分には軽くペーパー当てて
セラミック塗料を3回塗布します。
乾燥が早いので1日で施工完了します。

このセラミック塗料は大阪の工務店社長が1年間
風呂椅子に使ってカビが生えなかったと聞いて使い始めました。
弊社での実績はまだ少ないですが耐久性に期待しています。












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写真では半艶の状態となっていますが
木の素地の状態と変わらずに自然の状態です。




















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一番汚れていた部分もすっきりしました。

今現在、定期点検を行い
主に私の代で田中工務店が施工してきた100軒を超える家のメンテナンスを行っています。

築15年を超えてメンテナンスが必要な家では様々な事象が現れています。
屋根、ベランダ、外装の老朽化、給湯器の設備機器交換、内装模様替えなど代表的な事柄もあり。

その他に我々なりに独自に使っている材料や施工方法のメンテナンスをきちんと最初から明示出来るようにしています。
そうすれば設計時点から何のご不安もなく、ご採用を頂けることになります。
メンテナンス方法も日進月歩です。
工務店ネットワークによる、全国の工務店同士の生の情報も共有
しながら最良の方法、物を取り入れています。



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稀に湯水の掛かりやすい部分の材料を変えて
タイルや浴室用ボードにする方法もありますが
基本的に弊社では耐候性の高いセラミック塗料を
使うことでカビの発生も少なくなることと
すっきりと見せたい事もあって同様の事例は殆ど
ありません。






by tanaka-kinoie | 2018-12-17 07:19 | 建築、仕事 | Trackback | Comments(0)
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